気を付けていただきたいのは、保湿剤をかゆいところにだけ塗らないようにすることです。
保湿剤は、顔や体全体に毎日塗るべきです。
保湿剤を塗布する際、お子さんご本人を巻き込んでください。
本人が理解し、自ら保湿剤を塗れるようになるよう促すとよいでしょう。
赤ちゃんの場合、お母さんが赤ちゃんの皮膚炎に対して罪悪感を感じることがありますが、お子さんの肌の症状とお母さんは何の関係もありません。
赤ちゃんとの良好な関係を取り戻すための大切な時間ですから、アトピー肌を持つお子さんへは1日2回塗るのが理想的です。
時間が必要なことだからこそ、焦ってはいけません。保湿剤を塗りながら歌を歌うのもとてもいいですね。
アトピーが遠ざけてしまう、肌と肌のふれあいを取り戻しましょう。
塗るときの目安にできる、フィンガー・チップ・ユニット(FTU)
フィンガー・チップ・ユニット(FTU)とは、みなさんが外用剤や保湿製品を指で測るときの単位のことです。
保湿剤の使用感について
患者さんに合う保湿剤は一律ではなく、患者さんの年齢や重症度、塗布する部位、好みの質感などによって異なります。
保湿剤と軟こうを塗る順について
これはお一人お一人の症状に応じてお医者さんの指示に従いましょう。ただし、一般的に言えることとして、皮膚への浸透をよくするために、水分の多い保湿剤を先に塗り、被膜を作る脂分の多い軟膏をその上に塗るという考え方があります。
保湿成分における「モイスチャー効果」と「エモリエント効果」
保湿成分としては、水分を抱え込むことで肌に潤いを与える「モイスチャー効果」が高いタイプと、水分を蒸発させない脂溶性成分で、肌になめらかに伸びて水分が蒸発しないよう蓋をする「エモリエント効果」が高いタイプがあります。
日焼け止めについて
日焼け止めには、紫外線を熱などのエネルギーに変えることで肌へのダメージを防ぐ「紫外線吸収剤」を含むタイプと、散乱剤と呼ばれる、肌の表面を覆って紫外線を跳ね返す「紫外線反射剤」を含むタイプがあります。一般的に「紫外線吸収剤」の方が、かぶれを起こす可能性が高いと言われています。